第一話 −終わりを告げる者−



・・・・・ん・・・。

ここは、一体?


真っ暗だ。
何も見えない。



ふと眩い光が目に入った。

「・・・ッ!」

俺が次の瞬間目にしたのは、一面の空だった。
そこには、青々しく壮大な空が広がっていた。

いつもの風景。
いつもと変わらない日常。
いつも暮らしている家。世界。
何ら変わりはないはずなのに、どこか違う気がする。


―“ココは元居た世界とは違う。”―

そう気付いたのは・・・地面との境目が宙に浮いていたから・・・。

恐る恐る境目へと足を運ぶ。
俺が見たのは、真下を見ているはずなのに、見上げれば広がる空と全く同じ空。
海なんかない。
そして、薄っすらと見える山頂のような陰。

「な・・・どうなってるんだ?」
胸のドキドキが治まらないのと同時に、頭はパニックに陥る。

「もしかして・・・空にある島・・・?」

まさか・・・そんな馬鹿なことはない。と自分に言い聞かせた。
しかし、現にソレは自分の目の前に広がっている。言い聞かせることは簡単だ。
でも・・そう言い聞かせることは、自分を現実逃避したような気分にさせた。