第一章
俺の名前は、コルア。
何か今は、体がふわふわしているような感覚……・・
不思議な気分だ………・。
「……。(う…・・う〜…ん…・・)」
瞳がうっすらと開く。
「ここは…・・どこだ…?」
そして辺りを見回す。
「……・・。」
周り一面のす澄んだ蒼……・・
それ以外に見えるのは、ごつごつした岩や、砂浜のような地面。上を見上げると、まぶ眩しい光がキラキラと差し込んでいる。
「……もしかしてここは…水の中…?」
『そうだよ・・これから君は海の仲間と共に、ここで暮らすのさ。』
突然の声に、辺りに誰かいないかを確認する…。
しかし、見えるのは一面の砂浜と青だけ。人影など見当たらない…・・
とりあえず、姿の見えない声のぬし主を目で探しながら、会話を続けた。
「水の中だって?何を根拠にそんなこと言うのか知らないが、そんなバカなことあるわけないだろ?…第一、俺は人間だ!!」
『…人間…か……。』
声の主の少し悲しそうな声色。不思議な感覚がした。
「な…なんだよ?…おかしいのか?!」
『そんなに自分が人間だと信じたいなら・・・上を目指してみなよ。』
「上?」
コルアには、声の主が何を言ってるのか一瞬理解できなかった。
上を見上げ、届くはずないと確信して飛び跳ねた瞬間だった。
グーンッと一気に地面から離れた自分がいた。
「え・・・?」
不思議と体は軽くて、砂浜のような地面がすぐ真下に見える。
しかもずっと宙に浮いたような感覚なのだ。
『・・・ここが水の中だってこと、そして君が人間じゃないってこと・・・これで分かってもらえたかな?』
コルアにとっては、認めざるを得ない状況だった。
「………。(俺はもう…人間じゃなくなったのか?死んだ…ってことか?)」
頭が凄く混乱した。
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